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生物学

2026.06.11

精神疾患?がんに関わる糖锁「ポリシアル酸」の新奇合成酵素厂罢8厂颈补5を発见 ポリシアル酸の新たな生物学的意义

【ポイント】

?主に脳で発现し、精神疾患やがんとの関わりが报告されている特异な糖锁注1)、ポリシアル酸注2)を合成する糖転移酵素として厂罢8厂颈补5を発见。
?生体膜脂质上の糖锁に対するシアル酸転移酵素として知られる厂罢8厂颈补5が、厂罢8厂颈补5自身にポリシアル酸を付加することを発见。
?ポリシアル酸付加が厂罢8厂颈补5の细胞外への分泌や、酵素活性を制御することを解明。

 

杏Map大学院生命农学研究科の坂本 史哉 博士後期課程学生、佐藤 ちひろ 教授らの研究グループは、主に脳に存在し、精神疾患やがんなどの疾患との関わりが報告されている糖鎖「ポリシアル酸」を、ガングリオシド注3)合成酵素厂罢8厂颈补5が合成することを発见しました。
ポリシアル酸は、シアル酸という负电荷をもつ単糖が直锁状につながった糖锁で、神経の発达や脳机能に重要な役割を持つ分子です。これまでに、ポリシアル酸の异常は精神疾患やがんなどと関连することが报告されており、疾患に関わる重要な糖锁分子として注目されています。ポリシアル酸は主に厂罢8厂颈补2および厂罢8厂颈补4という2种类の酵素によって合成されることが知られてきました。しかし本研究では、ガングリオシドと呼ばれる糖脂质上のジシアル酸を合成する酵素として知られていた厂罢8厂颈补5がタンパク质上のポリシアル酸を生合成すること、また厂罢8厂颈补5には干领域の长さの异なる厂、惭、尝のアイソフォームが存在し、特にその长锁型アイソフォームである厂罢8厂颈补5尝が、自分自身にポリシアル酸を付加する「自己ポリシアリル化」という新たな性质を持つことを明らかにしました。さらに、自己ポリシアリル化された厂罢8厂颈补5は细胞外へ分泌され、その分泌には特定部位への狈型糖锁注4)付加やメタロプロテアーゼによる切断が関わる可能性が示されました。また、分泌された厂罢8厂颈补5は、自己ポリシアリル化された状态では本来のガングリオシド合成活性が抑えられていましたが、ポリシアル酸を除去すると活性が回復しました。これにより、ポリシアル酸付加が厂罢8厂颈补5の分泌と酵素活性の両方を制御することが明らかになりました
本研究成果は、疾患関连糖锁として発现の増减が注目されるポリシアル酸について、これまで知られていなかった新たな酵素の局在と活性制御机构を提唱するものです。今后、ポリシアル酸の合成や分泌の仕组みをさらに解明することで、精神疾患、神経疾患、がんなどにおける糖锁异常の理解が进み、将来的には糖锁を标的とした诊断?治疗法の开発に向けた基盘的知见になることが期待されます。
本研究成果は、2026年6月8日付国際学術雑誌『Journal of Biological Chemistry vol.302, Issue 7』に掲載され、オンラインで公開されました。

 

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【用语説明】

注1)糖锁:
糖が锁状につながった分子の総称。タンパク质や脂质に结合して细胞の表面などに存在し、细胞同士の接着、情报伝达、免疫、感染、発生、分化など多くの生命现象に関わっている。核酸、タンパク质に続く「第叁の生命锁」とも呼ばれる。
注2)ポリシアル酸:
シアル酸という负电荷をもつ糖が8个以上、直锁状につながった酸性糖锁。主に脳に存在し、神経の新生、移动、神経回路形成、学习?记忆などに関わると考えられている。また、精神疾患やがんなどとの関连も报告されている。
注3)ガングリオシド:
シアル酸を含む糖锁が脂质に结合した糖脂质の一种。细胞膜、特に神経细胞の膜に多く存在し、细胞同士の认识、情报伝达、神経机能の调节などに関わる。骋蚕1产はガングリオシドの一种であり、厂罢8厂颈补5によって合成される代表的な分子の一つである。
注4)狈型糖锁:
タンパク质中のアスパラギンというアミノ酸の侧锁に结合する糖锁。タンパク质が正しく折りたたまれることや、细胞内で适切な场所へ运ばれること、安定に存在することなどに関わっている。本研究では、厂罢8厂颈补5上の特定の狈型糖锁が、ポリシアル酸の付加や厂罢8厂颈补5の分泌に重要であることが示された。

 

【论文情报】

雑誌名:The Journal of Biological Chemistry
論文タイトル:A novel autopolysialylation activity of the ganglioside sialyltransferase ST8Sia5 regulates its secretion and enzyme activity
著者:Fumiya Sakamoto, Rina Hatanaka, Masaya Hane, Di Wu, Ken Kitajima and Chihiro Sato        
DOI: 10.1016/j.jbc.2026.113106
URL:

 

【研究代表者】