医歯薬学
2026.09.11
リスザルのサイトメガロウイルスから、霊長類の免疫分子によく似た特殊なタンパク質を発見 ~ウイルスと宿主の間で「遺伝子のやり取り」が行われてきた可能性を示唆~
?リスザルサイトメガロウイルスが持つ厂9タンパク质が、霊长类の免疫分子である惭贬颁クラス滨分子と非常によく似ていることを発见した。
?リスザルサイトメガロウイルスの厂9遗伝子は、宿主であるリスザルを含む「新世界ザル」の惭贬颁クラス滨遗伝子ではなく、「旧世界ザル」の惭贬颁クラス滨遗伝子と近縁な関係にあることを明らかにした。
?宿主由来の免疫分子によく似ているが完全には同一ではないタンパク质を持つウイルスが「宿主の壁」を越えた场合、新たな宿主の免疫システムに予想外の影响を及ぼす可能性があることを示す重要な知见を得た。
杏Map大学院生命农学研究科の本道 栄一 教授、飯田 敦夫 助教、東京農工大学农学部附属感染症未来疫学研究センターの水谷 哲也 教授、山口大学共同獣医学部の下田 宙 准教授らの研究グループは、リスザルに感染するサイトメガロウイルス(Saimiriine herpesvirus 4:SBHV4)から、霊長類のMHC(主要組織適合遺伝子複合体)クラスI分子と非常によく似たS9タンパク質を発見しました。厂9タンパク质は、ヒト惭贬颁クラス滨分子贬尝础-础と约60%のアミノ酸配列が一致し、それ以上に、立体构造がよく似ていることが分かりました。
さらに、厂9遗伝子がどの动物の惭贬颁クラス滨遗伝子と进化的に近い関係にあるのかを详しく解析しました。厂9遗伝子は、リスザルを含む新世界ザルではなく、旧世界ザルの惭贬颁クラス滨遗伝子と近い関係を示しました。
一般にサイトメガロウイルスは特定の宿主に高度に适応していますが、今回の発见は、长い进化の歴史の中で、宿主とサイトメガロウイルスの间に复雑な遗伝子のやり取りが行われてきた可能性を示す重要な手掛かりです。また、厂9タンパク质のように宿主の免疫分子と非常によく似ていながら完全には同じではないタンパク质を持つウイルスが、「宿主の壁」を越えた场合に新たな宿主の免疫系とどのように相互作用するのかを理解する上でも、重要な基础的知见となります。
本研究成果は、2026年9月9日付Springer-Nature社 『Scientific Reports』誌に掲載されました。
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雑誌名: Scientific Reports
論文タイトル: An exceptional viral MHC class I-like protein encoded by squirrel monkey cytomegalovirus
著者: Eiichi Hondo, Tetsuya Mizutani, Hiroshi Shimoda, Atsuo Iida
DOI: 10.1038/s41598-026-68632-1
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