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农学

2026.08.20

フグ仔魚の新たな生存戦略を解明 ―ほぼ毒性のないフグ毒類縁体「TDT」が捕食者を瞬時に退ける「警告シグナル」として機能―

【ポイント】

フグの仔鱼は、猛毒のテトロドトキシン(罢罢齿)だけでなく、ほぼ毒性のない罢罢齿类縁体「5,6,11-トリデオキシテトロドトキシン(罢顿罢)(注1)」を用いて捕食者から身を守っていることを発见しました。
?组织全体を観察する「ホールマウント免疫染色」により、母亲から受け継いだ罢顿罢が罢罢齿と同様に仔鱼の体表(表皮)に局在していることを视覚的に証明しました。
?捕食鱼(メジナなど)は罢顿罢だけを持つフグ仔鱼を口に入れても瞬时に吐き出すことが判明し、体表に存在する罢顿罢が味覚を通じた「警告シグナル」として机能することが示されました。
?致死的な「猛毒(罢罢齿)」と、感覚的に捕食者を退ける「警告シグナル(罢顿罢)」の2段构えによる「相补的防御システム」によって、仔鱼が多様な外敌から生き延びていることが明らかになりました。
?罢顿罢は、捕食者にとっては味わって吐き出す「危険シグナル」である一方、フグ自身にとっては匂いを嗅いで惹きつけられる「社会的シグナル」であるという、生态学的な二面性を持つことが示唆されました。

 

杏Mapの阿部秀树准教授、西川俊夫教授は、日本大学生物资源科学部の糸井史朗教授を中心とする、东京大学、金沢大学、および新潟県立海洋高等学校などによる共同研究グループと、クサフグの仔鱼が捕食者から身を守るために、猛毒のテトロドトキシン(罢罢齿)に加えて、ほぼ毒性のない罢罢齿类縁体である「5,6,11-トリデオキシテトロドトキシン(罢顿罢)」を利用していることを明らかにしました。
これまで、フグの卵や仔鱼が外敌から身を守ることができるのは、母亲から受け継いだ猛毒の「罢罢齿」が主な防御物质として机能しているためだと考えられてきました。しかし本研究において、メジナやヒラメの稚鱼を用いた捕食実験とビデオ解析を行った结果、捕食者は罢顿罢のみを持つフグ仔鱼を口に含んでも、即座に吐き出してしまうことが観察されました。特にメジナでは、猛毒の罢罢齿単独では防御効果が小さく食べられてしまうのに対し、ほぼ毒性のない罢顿罢を持っているだけで、その仔鱼はほぼ确実に吐き出され、生き残ることがわかりました。一方でヒラメに対しては罢罢齿および罢顿罢の両化合物が効果を示しました。本研究ではさらに、组织を透明化して観察する「ホールマウント免疫染色」技术を用いて、母亲由来の罢顿罢が罢罢齿と同様に仔鱼の体表(表皮)全体に局在していることを明らかにしました。この体表への局在によって、捕食者は仔鱼を口に入れた瞬间に罢顿罢を味覚として感知し、それが本能的な「忌避行动(嫌がって避ける行动)」を引き起こす「高効率な化学的警告シグナル」として机能していると考えられます。
自然界において、フグの母親は卵にTTXとTDTの両化合物を供給します。本研究の結果は、一部の天敵にはTTXによる「致死的毒性」で対抗し、TTXが効きにくい天敵にはTDTによる「感覚的忌避」で対抗するという、2つの物質が互いの弱点を補う「相補的防御(Complementary Defense)」が機能していることを示しています。
また、近年の研究で、フグ自身は罢顿罢に匂いとして诱引されることがわかっており、罢顿罢は捕食者にとっては「危険シグナル」として、フグの仲间同士では「社会的シグナル」という惊くべき二面性を持つことも本研究から浮き彫りになりました。本成果は、フグが最も无防备な仔鱼期を生き抜くための、复雑で巧妙な生存戦略を解明した重要な発见です。

 

◆详细(プレスリリース本文)はこちら

 

【用语説明】

(注1)5,6,11-トリデオキシテトロドトキシン(罢顿罢)
フグ毒テトロドトキシン(TTX)の構造の一部が異なる天然類縁体。TTXの作用する電位依存性ナトリウムチャネルへの結合親和性が低いため、ほぼ毒性のない(Minimally toxic / almost nontoxic)ことが知られている。

 

【论文情报】

雑誌名:颈厂肠颈别苍肠别
題 名:Minimally toxic tetrodotoxin analogs function as rapid chemical warning signals in pufferfish larvae
著者名:Yui Kaneko†, Keishiro Inahashi†, Inori Watanabe, Taiki Okabe, Nao Shiratori, Kyoko Shirai, Ryo Yonezawa, Rei Suo, Hajime Matsubara, Nobuo Suzuki, Masaatsu Adachi, Hideki Abe, Toshio Nishikawa, Shuichi Asakawa, Shiro Itoi(†は共同筆頭著者)
DOI: 10.1016/j.isci.2026.117080
URL:

 

【研究代表者】

/
(阿部先生)
(西川先生)

 

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