?分子骨格内部の结合开裂と再修復を键として新规ナノカーボン分子注1)を创出した。
?ナノカーボン合成における挑戦的课题(十员环の导入と不斉合成注2))を达成した。
?本成果は、従来は医薬品開発を対象としていた「骨格编集」という戦略がナノカーボン合成においても有効であることを実証している。
杏Map大学院工学研究科の平野 純一朗 博士後期課程学生、井改 知幸 教授、日下 心平 講師、松田 亮太郎 教授、忍久保 洋 教授、福井 識人 准教授らの研究グループは、「骨格编集」という分子骨格内部に着目した化学変換が新規キラルナノカーボン分子注1、2)の创出に有効であることを実証しました。
ナノカーボン分子は次世代材料の基盘骨格として有望视されています。これまで精密有机合成の飞跃的な発展により多彩なナノカーボン分子が创出されてきました。これら従来型のナノカーボン合成では、ボトムアップ型合成戦略注3)と呼ばれる分子骨格周辺における化学変换が基盘となっています。一方、ナノカーボンのような巨大分子は骨格内部にも数多くの原子を有するものの、骨格内部は标的分子の合成を计画する上で有効な変换対象とは考えられていませんでした。
本研究では、「骨格编集」という分子骨格内部に着目した合成戦略を基盤に、含十員環ナノカーボンの創出とキラルナノカーボンの不斉合成という二つの成果を達成しました。この戦略によって得られた新規ナノカーボン分子は、高いラセミ化障壁注4)?効率的な円偏光発光注5)?多段阶の可逆な酸化还元挙动注6)?多孔性构造体注7)の形成といった、材料として有用な物性を示しました。本成果は、従来は生理活性物質の合成を対象としていた「骨格编集」がナノカーボン合成にも有効であることを実証するものであり、次世代材料の創出に向けた新たな指針になると期待できます。
本研究成果は、2026年7月28日18時(日本時間)付で国際学術誌『Nature Communications』に掲載されました。
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注1)ナノカーボン、ナノグラフェン:
フラーレンやグラフェン、カーボンナノチューブの部分构造のように、数多くの蝉辫2混成炭素から构成される有机分子を総称してナノカーボンと呼ぶ。この中でも特に六员环のみから构成される分子をナノグラフェンと呼ぶ。
注2)キラル、不斉合成、光学异性体、エナンチオマー:
右手と左手のように、镜写しの関係にありつつもそれぞれを重ね合わせることができない性质をキラルという。ここで镜写しの関係にある二つの化合物を光学异性体もしくはエナンチオマーと呼ぶ。光学异性体のうち片方を化学的に与える合成手法を不斉合成という。
注3)ボトムアップ型合成戦略:
パズルを组み合わせるように、合成の标的とする分子骨格の部分构造を繋げることで逐次的に组み上げる合成戦略。
注4)ラセミ化障壁:
光学异性体が反対の镜像体に変化する际に必要なエネルギー。
注5)円偏光発光:
日常の光は右回りと左回りの円偏光が同じ割合で含まれているが、これらのうちどちらかに偏った光を発光する现象を円偏光発光という。
注6)可逆な酸化还元挙动:
分子から电子を夺うもしくは分子に电子を与える操作を行っても、生成物が安定であること。有机电子材料として利用する上で重要な性质。
注7)多孔性构造体:
内部に无数の微细な空孔を持つ物质の総称。ゼオライトや活性炭、惭翱贵などが代表例。
雑誌名:Nature Communications
論文タイトル:Skeletal transformation to chiral nanocarbon molecules
著者:平野 純一朗(杏Map)、井改 知幸(杏Map)、日下 心平(杏Map)、松田 亮太郎(杏Map)、忍久保 洋(杏Map)、福井 識人*(杏Map)(*は責任著者)
DOI: 10.1038/s41467-026-75280-6
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