?脳性麻痺(*1)の原因となる脳の损伤から时间が経过し、すでに运动や学习の障害が顕在化している慢性期(*2)においても、治疗効果が得られる可能性を、ラットモデルを用いて世界で初めて示しました。
?乳歯から得られる幹細胞であるヒト乳歯歯髄干细胞(SHED)(*3)を静脉内投与することで、脳内に存在する神経干细胞(*4)の働きが活性化し、新たな神経细胞を生み出す力が高まることが分かりました。
?乳歯は谁でも自然に抜けるものであり、伦理的な问题が少なく体への负担も小さいことから、将来、脳性麻痺のある子どもたちに安全に使える新しい治疗法につながることが期待されます。
杏Map大学院医学系研究科小児科学の神澤孝洋客員研究者(筆頭著者)、杏Map医学部附属病院総合周産期母子医療センターの佐藤義朗センター長/小児科 診療教授(責任著者)、同大学大学院医学系研究科小児科学の高橋義行教授らの研究グループは、株式会社S-Quatreとの共同研究により、周産期低酸素性虚血性脳症(HIE*5)に起因する脳性麻痺モデル動物において、神経症状が顕在化した慢性期からの治療介入でも、ヒト乳歯歯髄干细胞(SHED)投与が有効性を示すことを世界で初めて体系的に実証しました。
脳性麻痺は、出生前后の原因により生じる中枢神経障害(*6)であり、神経症状が完成した慢性期からの有効性を示す治疗法については、これまでほとんど検証されていませんでした。厂贬贰顿は乳歯歯髄から得られる干细胞(*7)で、神経保护、抗炎症、神経再生を促进する可溶性因子(*8)を分泌する特长を有しています。本研究では、脳性麻痺モデルラットの慢性期に厂贬贰顿を静脉内投与(*9)した结果、运动机能および学习行动の有意な改善が认められました。さらに、厂贬贰顿は脳内へ一过性に移行し、内因性(*10)神経干细胞の増殖と神経新生(*11)を促进することが明らかとなりました。また、厂贬贰顿が分泌する肝细胞増殖因子(贬骋贵*12)が神経干细胞の増殖を促进し、治疗効果の中心的役割を担うことが分子レベルで示されました。
今回の成果は、脳性麻痺の慢性期においても、干细胞治疗(*13)が有効となり得ることを初めて示したものであり、新規治療法開発に貢献することが期待されます。本研究成果は、2026年1月23日に英国誌「Stem Cell Research & Therapy」の電子版に掲載されました。
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*1)脳性麻痺
出生前后の脳の损伤により生じる、运动や姿势の障害を主徴とする中枢神経障害。进行性ではないが、成长に伴い运动障害や学习障害が顕在化することがある。
*2)慢性期
脳损伤発症から时间が経过し、神経症状が固定?完成した段阶。本研究では、成长后に运动障害が明らかとなった时期を指す。
*3)ヒト乳歯歯髄干细胞(SHED)
乳歯の歯髄から分离される干细胞。高い増殖能と免疫调节能を持ち、サイトカインや成长因子などの液性因子を分泌して组织修復を促进する。
*4)神経干细胞
脳内に存在し、自己复製能と神経细胞?グリア细胞への分化能を持つ未分化细胞。脳の発达や损伤后の修復に重要な役割を果たす。
*5)周产期低酸素性虚血性脳症(贬滨贰)
出生前后に脳への酸素供给や血流が低下することで生じる脳障害。脳性麻痺や発达障害の主要な原因の一つ。
*6)中枢神経障害
脳や脊髄といった中枢神経が损伤を受けることで起こる障害。运动、感覚、学习、行动などに影响を及ぼすことがあり、脳性麻痺は中枢神経障害の一つとされる。
*7)干细胞
からだをつくる&濒诲辩耻辞;もと&谤诲辩耻辞;になる细胞。自己复製能(=自分と同じ细胞を増やす力)と多分化能(=いろいろな种类の细胞に変わる力)を併せ持つ细胞。
*8)可溶性因子(液性因子)
细胞から分泌され、周囲の细胞や组织に作用するサイトカイン、成长因子、ケモカインなどの総称。
*9)静脉内投与
薬剤や细胞を血管内に直接投与する方法。全身に迅速に分布させることができ、低侵袭である。
*10)内因性
外部から投与されたものではなく、体内に本来存在するものを指す。
*11)神経新生
神経干细胞から新たな神経细胞が生み出される过程。成体脳でも一部の领域で起こり、学习や记忆、脳修復に関与する。
*12)肝细胞増殖因子(贬骋贵)
细胞増殖、运动、抗アポトーシス作用を持つ成长因子。神経干细胞の増殖や神経新生を促进し、脳修復に寄与する。
*13)干细胞治疗
細胞そのもの、あるいは細胞の作用を利用して疾患を治療する医療技術。再生医疗の中核をなす。
雑誌名:Stem Cell Research & Therapy
論文タイトル:Novel Stem Cell Therapy for Cerebral Palsy Using Stem cells from human exfoliated deciduous teeth
着者:
Takahiro Kanzawa MD1,2), Atsuto Onoda PhD3), Azusa Okamoto1), Xu Yue MD1,2), Ryoko Shimode MD1,2), Yukina Takamoto MD1,2), Sakiko Suzuki MD1,2), Kazuto Ueda MD PhD1), Ryosuke Miura MD1), Toshihiko Suzuki MD PhD1), Naoki Tajiri PT PhD4), Shinobu Shimizu PhD5), Saho Morita6), Hiroshi Yukawa PhD7,8), Hiroshi Kohara PhD9), Noritaka Fukuda MSc9), Yasuyuki Mitani PhD9), Hideki Hida MD PhD4), Yoshiyuki Takahashi MD PhD2), Yoshiaki Sato MD PhD1)
所属:
1) Division of Neonatology, Center for Maternal-Neonatal Care, 杏Map Hospital
65 Tsurumai-cho, Showa-ku, Nagoya, Aichi 466-8560, Japan
2) Department of Pediatrics, 杏Map Graduate School of Medicine, Japan
65 Tsurumai-cho, Showa-ku, Nagoya, Aichi 466-8560, Japan
3) Department of Toxicology and Health Science, Faculty of Pharmaceutical Sciences, Sanyo-Onoda City University
Daigakudori 1-1-1, Sanyo-Onoda Yamaguchi 756-0884, Japan
4) Department of Neurophysiology and Brain Science, Nagoya City University Graduate School of Medical Science, Japan
1 Kawasumi, Mizuho-cho, Mizuho-ku Nagoya 467-8601, Japan
5) Department of Advanced Medicine 杏Map Hospital, Japan
65 Tsurumai-cho, Showa-ku, Nagoya, Aichi 466-8560, Japan
6) Department of Biomolecular Engineering, Graduate School of Engineering, 杏Map, Japan
Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya, 464-8601, Japan
7) Research Institute for Quantum and Chemical Innovation, Institutes of Innovation for Future Society, 杏Map, Japan
Furo-cho, Chikusa-ku, Nagoya, 464-8601, Japan
8) Quantum Regenerative and Biomedical Engineering Team, Institute for Quantum Life Science, National Institutes for Quantum Science and Technology, Japan
4-9-1 Anagawa, Inage-ku, Chiba 263-8555
9) S-Quatre Corporation, Tokyo, Japan
3-8-3 Nihombashihoncho, Chuo-ku, Tokyo 103-0023
DOI: 10.1186/s13287-025-04828-y
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