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工学

2026.05.11

コイルなしで発振する电子回路を実现-巨大インダクタンスを分子材料で発见-

【ポイント】

理化学研究所(理研)开拓研究所上野核分光研究室の大岛勇吾専任研究员、杏Map大学院工学研究科の竹延大志教授、东北大学大学院理学研究科の高石慎也准教授らの共同研究グループは、分子性物质[1]に基づくメモリスタ[2]においてコイルを用いずに発振する电子回路を発见しました。
本研究により、従来はコイル[3]によって実现されてきたインダクター[3]机能を、物质の内部ダイナミクスによって代替できることが示され、コイル不要の発振回路が可能となりました。これにより、低周波回路设计の自由度向上や小型?集积化への応用、さらにはニューロモルフィックデバイス[4]など新しい情报処理技术への展开が期待されます。
今回、共同研究グループは分子性モット絶縁体[5]において电気输送测定およびインピーダンス分光[6]を行い、メモリスタとしての振る舞いを确认しました。さらに、ヒステリシス応答(ピンチドヒステリシスループ)[7]に起因して10,000~100,000ヘンリー(贬)[3]に达する巨大なインダクタンス[3]が発现することを见いだし、この巨大インダクタンスと负性抵抗[8]によりコンデンサーと组み合わせた回路で自励発振(自発的な振动)が生じることを実証しました。
本研究は、科学雑誌『Scientific Reports』オンライン版(5月8日付:日本时间5月8日)に掲载されました。

 

◆详细(プレスリリース本文)はこちら

 

【用语説明】

[1] 分子性物質
个々の分子が规则的に并んで结晶を形成し、その分子间の相互作用によって电気伝导や磁性などの性质が现れる物质のこと。通常の金属や半导体が原子のネットワークで构成されるのに対し、分子性物质では分子単位で电子の振る舞いが决まる点が特徴である。このような特性から、强い电子相関や新しい机能性の発现が期待される物质群として研究が进められている。

 

[2] メモリスタ
电流の履歴に応じて电気抵抗が変化する性质を持つ电子素子。电圧や电流を加えた过去の状态を记忆するように振る舞うため、「记忆(尘别尘辞谤测)」と「抵抗(谤别蝉颈蝉迟辞谤)」を组み合わせて名付けられた。通常の抵抗とは异なり、时间とともに応答が変化する非线形な特性を持つことが特徴。この性质から、脳の神経回路を模倣したニューロモルフィックデバイス(摆4闭参照)などへの応用が期待されている。

 

[3] コイル、インダクター、ヘンリー(H)、インダクタンス
インダクター(コイル)は、入力电流の时间変化に比例した电圧を生じさせる回路素子のことを指し、その比例係数をインダクタンスと呼ぶ。インダクタンスの単位はヘンリー(贬)であり、1ヘンリーは1秒间に1アンペアの割合で电流が変化するときに1ボルトの电圧を生じる场合と定义される。通常、この性质はコイルによって実现される。本研究では、このインダクタンスがコイルではなく物质の内部ダイナミクスから発现することが示され、特に10,000~100,000贬に达する巨大な値が観测された。

 

[4] ニューロモルフィックデバイス
人间の脳の神経回路の仕组みを模倣した电子デバイスのこと。脳では、神経细胞(ニューロン)が电気信号の発火(スパイク)によって情报を処理しており、このような动作を电子回路で再现することが目指されている。ニューロモルフィックデバイスは、従来のコンピュータとは异なり、低消费电力で并列的に情报処理できる点が特徴。本研究で示された発振机能は、このようなスパイク信号の生成に応用できる可能性がある。

 

[5] モット絶縁体
电子が自由に动けるため本来は金属になると予想されるにもかかわらず、电子同士の强いクーロン斥力により电子の移动が抑えられ、全体として絶縁体となる物质のこと。特に、电子密度が1原子当たり半整数となる场合にこのような状态が现れる。

 

[6] インピーダンス分光
试料に交流电圧を加え、その応答として流れる电流との関係を周波数ごとに测定することにより、物质の电気的性质を调べる手法。この方法により、抵抗や电気容量、インダクタンスといった回路特性を分离して评価することができる。本研究では、この手法を用いてメモリスタにおける巨大なインダクタンスの発现を明らかにした。

 

[7] ヒステリシス応答(ピンチドヒステリシスループ)
入力した电圧や电流の履歴によって応答が変化し、同じ条件でも过去の状态に依存して异なる値を取る现象。メモリスタでは、电流と电圧の関係をグラフに描くと、原点で交差する特徴的なループ(ピンチドヒステリシスループ)が现れる。このループはメモリスタの代表的な特徴とされており、电流の履歴を记忆する性质を反映している。本研究では、このヒステリシス応答が巨大インダクタンスの発现に関与していることが示された。

 

[8] 負性抵抗
电圧を増加させたときに电流が减少するような、通常とは逆の応答を示す现象。一般的な抵抗では电圧を大きくすると电流も増加するが、负性抵抗では特定の条件下でその関係が逆転する。この性质は电子回路において発振や増幅に利用されることがあり、自励発振を引き起こす要因となる。本研究では、メモリスタにおける负性抵抗と巨大インダクタンスの组み合わせにより、コイルを用いない発振が実现された。

 

【论文情报】

<タイトル>
Colossal emergent inductance in a molecular memristor
<着者名>
Yugo Oshima, Rei Usami, Tetsuro Moriya, Taishi Takenobu, Shinya Takaishi
<雑誌>
Scientific Reports
<顿翱滨>
10.1038/s41598-026-48808-5

URL: 

 

【研究代表者】