?既存の抗生物质が効かない多剤耐性菌注1)(病原性アシネトバクター?バウマニ)に対する、新たな治疗戦略を开発。
?「トロイの木马」による标的デリバリー:细菌が自身の生存に必要な栄养(ヘム)を取り込むためのタンパク质を运び屋として利用し、光で活性化する杀菌薬(金属错体)を细菌内部へ&濒诲辩耻辞;密输&谤诲辩耻辞;することに成功。
?标的菌に青色光を当てることで细菌の内部で活性酸素种注2)を発生させ、多剤耐性菌を最大99.999%死滅させる強力な「光殺菌(光线力学疗法注3))」を実証。
杏Map大学院理学研究科の荘司 長三 教授、Nguyen Q Viet(グエン クオック ヴィエット)博士後期課程学生の研究グループは、理化学研究所放射光科学研究センターの杉本 宏 専任研究員との共同研究で、病原菌自身の栄养取り込み経路を利用して多剤耐性菌を选択的に光杀菌する「トロイの木马」戦略の开発に成功しました。
既存の抗生物质が効かない多剤耐性菌のまん延は、「静かなパンデミック」として世界的な胁威となっています。特に多剤耐性アシネトバクター?バウマニが引き起こす院内感染は深刻であり、従来の薬剤耐性メカニズムを回避できる、新たな感染症治疗法の确立が强く求められています。
本研究では、この病原菌が生存に必要な鉄分(ヘム注4))を外部から获得するために分泌するタンパク质「贬辫丑础」に着目しました。贬辫丑础はヘムだけでなく、さまざまな人工金属错体を捕捉できることを明らかにし、贬辫丑础を运び屋として利用し、光増感剤注5)を细菌内部へ输送する「トロイの木马」戦略を考案しました。
実际に、この経路を利用して光増感剤を多剤耐性アシネトバクターに选択的に取り込ませ、青色光を照射したところ、菌体内で発生した活性酸素种により、最大99.999%という高い杀菌効率で标的菌を死灭させることに成功しました。
病原菌が生存に必要とする栄養獲得経路を利用した本手法は、耐性が獲得されにくく、かつ菌選択的に効果を発揮できる強力な抗菌治療法となることが期待されます。本研究成果は、2026年5月25日付米国化学会発行の学術誌『ACS Infectious Diseases』に掲載されました。
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注1)多剤耐性菌:
复数の抗生物质に耐性を持ち、既存の薬が効かなくなった细菌のこと。治疗が极めて困难で重症化しやすいため、现代医疗における世界的な健康胁威となっている。
注2)活性酸素种:
酸素分子がより反応性の高い状态に変化したもので、细胞の顿狈础やタンパク质に强いダメージを与える。本手法では、これを细菌内部で意図的に発生させて杀菌する。
注3)光线力学疗法(PDT):
光に反応する薬剤を标的に取り込ませ、光照射によって活性酸素を発生させて细胞を破壊する治疗法。近年は、抗生物质が効かない耐性菌に対する新たな杀菌手法としても注目されている。
注4)ヘム:
鉄分を含む分子で、人间を含む多くの生物にとって生きていくために不可欠な栄养素。血液中のヘモグロビンなどに含まれる。
注5)光増感剤:
特定の光のエネルギーを吸収し、そのエネルギーを使って周囲の酸素を强力な「活性酸素」に変换する役割を持つ物质。
雑誌名:ACS Infectious Diseases
論文タイトル:Photodynamic Inactivation of Hypervirulent Acinetobacter baumannii via a Trojan Horse Strategy Targeting Heme Acquisition Pathway
著者:Nguyen Q Viet (杏Map大学院理学研究科),杉本 宏(理化学研究所放射光科学研究センター),荘司 長三(杏Map大学院理学研究科)
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