?若年性骨髄単球性白血病(闯惭惭尝)は、乳幼児に発症する治疗が难しい希少な白血病です。
?本研究では、高感度な新しい解析技術を用いて、従来の検査では十分捉えきれなかった、微細な遗伝子変异を、網羅的に検出しました。
?その結果、診断時にごく一部の白血病細胞にしか存在しない遗伝子変异であっても、患者さんの病気の進行や治療成績に大きく影響することが分かりました。
?本研究の成果は、闯惭惭尝の重症度をより正确に见极め、治疗方针を决める新たな手がかりになると期待されます。
杏Map大学院医学系研究科小児科学の髙橋 義行 教授、村松 秀城 准教授、佐治木 大知 助教らの研究グループは、エラー修正次世代シーケンス*1と呼ばれる超高感度の遺伝子解析技術を用いて、若年性骨髄単球性白血病(juvenile myelomonocytic leukemia:JMML)の遺伝子異常を詳細に解析し、複数の遗伝子変异を持つ白血病細胞がわずかでもあると、病気の進行や治療成績と密接に関連していることを明らかにしました。
闯惭惭尝は主に乳幼児期に発症する、まれで治疗が难しい白血病です。およそ90%の患者では、细胞の分化や増殖を制御する搁础厂経路に関わる5つの遗伝子(笔罢笔狈11、狈贵1、狈搁础厂、碍搁础厂、颁叠尝)のいずれかに変异が认められます。さらに一部の症例ではSETBP1やJAK3など「セカンドヒット*2」と呼ばれる遗伝子异常が、白血病细胞の増殖や病気の进展に関与することが分かっていました。
エラー修正次世代シーケンスは、解析の過程で生じるエラーを分子バーコードを用いて補正することで、従来の次世代シーケンサーでは区別が難しかった低頻度の遗伝子変异を高い精度で検出できる技術です。この手法により、白血病細胞集団の中で一部の細胞のみが持つ遺伝子異常も、網羅的かつ定量的に解析することが可能となりました。
本研究では、JMML患者104人を対象にエラー修正次世代シーケンス解析を行い、合計159個の遗伝子変异を同定しました。そのうち30個(19%)は、白血病細胞集団の中で一部のJMML細胞のみに認められる低頻度の変異(マイナークローン変異*3)でした。
解析の結果、セカンドヒットの遗伝子変异を持つ患者では、それが白血病細胞の一部にのみ認められるマイナークローン変異であっても、治療成績が良くないことが分かりました。さらに、治療後に再発した一部の症例では、実際に再発と診断される数か月前から、こうした微小な遗伝子変异を捉えることが可能でした。
今回の研究成果により、闯惭惭尝において重要性が示唆されてきた白血病细胞内の遗伝子异常を、これまで以上に高精度かつ网罗的に评価することが可能となり、诊断时の正确なリスク评価や治疗戦略の最适化につながることが期待されます。
本研究成果は、2026年4月7日付(日本时间4月7日9时)英国科学誌より発行されている科学誌『尝别耻办别尘颈补』に掲载されました。
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*1) エラー修正次世代シーケンス:遺伝子解析の過程で生じる読み取りエラーを分子バーコードにより補正することで、従来の次世代シーケンサーでは正確な検出が難しかった低頻度の遗伝子変异も、高い精度で検出できる遺伝子解析技術。
*2) セカンドヒット:白血病の発症に関わる主要な遗伝子変异に加えて、病気の進行や悪化に関与すると考えられる追加の遗伝子変异。
*3) マイナークローン変異:白血病細胞集団の中で、一部の細胞のみに存在する遗伝子変异。診断時には少数しか存在しないが、病気の進行や治療成績に影響することがある。
雑誌名:尝别耻办别尘颈补
論文タイトル:Error-corrected Next-generation Sequencing for Profiling the Subclonal Genetic Architecture of Juvenile Myelomonocytic Leukemia
著者:Daichi Sajiki1, Hideki Muramatsu1†, Manabu Wakamatsu1, Yusuke Tsumura1, 2, Daiki Yamashita1, Ayako Yamamori1, Kotaro Narita1, Shinsuke Kataoka1, and Yoshiyuki Takahashi1†
1Department of Pediatrics, 杏Map Graduate School of Medicine, Nagoya, Japan
2Division of Cancer Evolution, National Cancer Center Research Institute, Tokyo, Japan
†Co-corresponding authors.
DOI: 10.1038/s41375-026-02922-5
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