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化学

2026.02.12

惭翱贵由来の単一原子で高価な白金に匹敌する触媒を创製 冻结?二次元构造化し100%の原子利用、次世代燃料电池に寄与

【ポイント】

?単一原子触媒注1)における活性点利用注2)をほぼ100%まで高める设计指针を确立。
?冻结鋳型法注3)により、二次元?単层配列ナノカーボン构造を创製。
?酸素还元反応注4)において、高価な白金触媒に匹敌、あるいは凌驾する性能を実証。
?燃料电池注5)をはじめとする次世代エネルギー変换デバイスの高効率?低コスト化に贡献。

 

燃料电池などの電気化学エネルギー変換技術において、电极触媒の高活性化と資源利用効率の向上は、エネルギー変換効率の向上およびコスト低減の観点から極めて重要な課題です。特に、金属原子を単原子レベルで分散させた「単一原子触媒」は、すべての金属原子が理論的に反応に関与可能であることから、100%の原子利用を実現し得る究極の触媒形態として注目されています。しかしながら、従来の多孔質炭素担体を用いた単一原子触媒では、活性金属原子の多くが微細孔内部や粒子間界面に埋没し、反応物や電子が十分に到達できないため、実際の活性点利用率は理論値を大きく下回るという根本的な課題が存在していました。


杏Map大学院工学研究科の山内 悠輔 卓越教授らの研究チームは、金属原子が有機配位子と原子レベルで均一に配位した金属有机构造体(惭翱贵)注6)を、単一原子触媒の理想的な前駆体として活用しました。本研究では、界面活性剤支援の冻结鋳型法を用いることで、惭翱贵ナノ粒子を成长する氷结晶界面に沿って単层二次元的に配列させることに成功しました。さらに、この配列构造を保持したまま热処理を行うことで、惭翱贵由来の金属原子を凝集させることなく、面内に均一に固定したメソ孔注7)に富む二次元ナノカーボン构造へと変换する新しい材料创製手法を确立しました。
このような二次元?阶层多孔构造注8)により、触媒層全体における電子輸送および反応物?生成物の物質輸送が著しく改善され、従来は反応に寄与できなかった触媒内部の単一原子活性点まで効率的に活用できるようになりました。その結果、酸性条件下における酸素還元反応において、MOF由来単一金属原子の活性点利用率は約99%に達し、従来型単一原子触媒のみならず市販白金触媒をも上回る電気化学性能を示しました。本成果は、単一原子触媒の性能を理論限界に近づけるための新たな構造設計指針を提示するものであり、次世代燃料电池をはじめとする高効率エネルギー変換デバイスへの応用が期待されます。

 

◆详细(プレスリリース本文)はこちら

 

【用语説明】

注1) 単一原子触媒(Single-Atom Catalyst):
金属原子をナノ粒子ではなく、原子一つ一つの状态で担体上に分散させた触媒。理论的にはすべての金属原子が活性点として机能し得るため、极めて高い原子利用効率が期待されている。
注2) 活性点利用率(Site Utilization):
触媒中に存在する活性点のうち、実际の反応に寄与している割合を示す指标。単一原子触媒では重要な性能指标であり、理论限界は100%とされる。
注3) 凍結鋳型法(Freeze-Casting Method):
溶液を冻结させる际に成长する氷结晶を鋳型として利用し、材料を特定の方向や形状に配列させる构造制御手法。本研究では、二次元単层配列构造の形成に用いられた。
注4) 酸素還元反応(ORR:Oxygen Reduction Reaction):
燃料电池のカソード(空気極)で進行する反応で、酸素分子が電子と反応して水を生成する過程。反応速度が遅く、高性能触媒が必要とされる。
注5) 燃料电池:
燃料と酸素の电気化学反応により、化学エネルギーを直接电気エネルギーへ変换する発电デバイス。高効率?低环境负荷な次世代エネルギー技术として注目されている。
注6) 金属有機構造体(MOF:Metal–Organic Framework):
金属イオンと有机配位子が规则的に结合した多孔性结晶材料。2025年ノーベル化学赏でも注目を浴びた材料である。
注7) メソ孔(Mesopore):
直径2?50 nmの細孔。微細孔に比べて反応物や生成物の拡散が容易であり、触媒反応における物質輸送の向上に寄与する。
注8) 階層多孔構造:
ミクロスケール(微细孔?メソ孔)とマクロスケール(构造配列)を组み合わせた多段阶の多孔构造。电子输送と物质输送を同时に最适化できる。

 

【论文情报】

雑誌名:Nature Communications
論文タイトル:Near-100% site utilization of single atoms for efficient electrocatalysis
DOI: 10.1038/s41467-025-67756-8       
URL:

 

【研究代表者】