工学
2026.01.09
ウェハを冷却+フッ化水素プラズマでエッチング速度5倍向上 環境負荷低減プロセスも実現、次世代半導体技術の進歩に貢献
?杏Mapと东京エレクトロン宫城株式会社による共同研究で、革新的プロセス开発を推进。
?冷却した SiO?表面でフッ化水素と反応生成物のH?Oが共吸着することで、エッチングの活性化エネルギー閾値をほぼゼロにできる可能性を発見。
?反応生成物H?Oが冷却したSiO?膜の表面に自己触媒反応(autocatalytic reaction)注1)により再吸着することで、エッチング反応を飞跃的に加速できる。
?エッチングガスに、従来の地球温暖化係数(骋奥笔)が高いフルオロカーボン系ガスを使用せず、フッ化水素(贬贵)を用いることで环境负荷が低いプロセスを実现。
杏Map 低温プラズマ科学研究センターの 蕭 世男(シャオ シーナン)特任教授、堀 勝 特任教授らの研究グループは、東京エレクトロン宮城株式会社が従来プロセスと比べて5倍のエッチング速度を実現する革新的半導体エッチング技術を開発したことを受け、同社との共同研究により、ウェハを冷却し、フッ化水素(贬贵)プラズマを用いる新しい反応性イオンエッチング(搁滨贰)注2)プロセスのメカニズムを明らかにしました。イオン照射によって引き起こされる「イオン强化表面自己触媒反応」によって、二酸化ケイ素(SiO?)膜のエッチング速度が従来のプロセスと比較し5倍に向上しました。さらに地球温暖化係数(GWP)の高いフルオロカーボン系ガスを使わない環境配慮型プロセスとして、次世代半導体製造の課題解決に向けた産学連携の成果を得ました。
本共同研究の低温下のHFプラズマエッチングでは、エッチング速度がプラズマから照射されるイオンのエネルギー(バイアス電圧の平方根に相当)に対して指数関数的に増加するユニークな現象を発見しました。この劇的な速度上昇は、「イオン強化型表面自己触媒反応」によるものです。すなわち、高いバイアス電圧はより多くのH?O反応生成物が形成され、このH?Oが冷却したSiO?膜の表面に自己触媒反応(autocatalytic reaction)により再吸着することで、さらに多くのHF分子を引き付ける連鎖反応によりエッチング速度を指数関数的に増加させます。この新しいメカニズムの結果、SiO?のエッチングスループットは、従来の室温および低イオンエネルギー条件と比較して、約2桁(100倍程度)も劇的に向上することが実証されました。
本共同研究では、表面触媒反応とイオン强化型相乗効果を活用することで、高アスペクト比(贬础搁)注3)の次世代半导体デバイスの製造に必要なエッチングのプロセス时间を大幅に短缩し、エネルギー効率を改善しました。さらに、フルオロカーボン系ガスを使用しない贬贵を前駆体とする环境负荷の低いプロセスを実现したことで、半导体製造技术の进歩と持続可能な开発目标(厂顿骋蝉)への贡献が期待されます。
本研究成果は、2025年10月15日付の学術誌「Chemical Engineering Journal」に掲載されました。
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注1)自己触媒反応 (autocatalytic reactions):
反応生成物がその反応の触媒となる化学反応。このため、イオンエネルギーを増加するなどで反応を进行させるほど反応速度が増大することが特徴。
注2)反応性イオンエッチング (RIE):
プラズマ中の活性な反応性ガスとイオンを利用して、物理的な反応と化学的な反応を同时に利用したエッチングを行い、半导体の微细加工を可能とする技术。
注3)高アスペクト比(贬础搁):
半导体デバイスにおける沟(トレンチ)や穴(ホール)などの微细构造で、深さに対する开口幅の比率(アスペクト比)が非常に小さい构造を指す。
雑誌名:Chemical Engineering Journal
論文タイトル:Revolutionizing reactive ion etching: ion-enhanced surface autocatalytic reactions enabling ultra-high throughput using cryogenic hydrogen-fluoride plasma
着者:Shih-Nan Hsiao, Yusuke Imai, Makoto Sekine, Ryutaro Suda, Yuki Iijima, Yoshihide Kihara, Kenji Ishikawa and Masaru Hori
下线は本学関係教员、学生
DOI: 10.1016/j.cej.2025.167517
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